uporeke's diary

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ラテンアメリカ文学祭り

薄曇りの中、某Mさんに連れ添って横浜へ古本狩りに。しかし、まずは財布を忘れて自転車で15分のところを往復してしまう。待ち合わせた駅であわてて電車に飛び乗ったら別の線で終点まで乗ってしまい、あわてて折り返して30分ロス。おまけに買ったばかりのジーンズが色落ちして、これも買ったばかりの鞄に色移りしてしまうという痛恨。

しかし、そんなことでケチがつかないのがラテンアメリカ文学祭り。某学生街にて結構いい品揃えの1軒目はなにごともなく過ぎ、
「珍しく何も買わなかったわー」
などと余裕をかましていたのもつかの間、2軒目では

を発見。帯には

「メキシコの《ヌーヴォー・ロマンシエ》 フエンテスによる 犬に変身する青年」

犬ですよ、人が犬。こんなあほらしい惹句はひさしぶりに見た。しかもフェンテス。売ってるのを初めて見たし、マクニールの文庫より安いので迷わず購入。

某Mさんのテンションもあがり徐々につかんでいる本が多くなってきた。そういえば前にも真夏の酷暑の中、このあたりに来たことがあったことを思い出した。そのときはさほどな拾いものはなかったと思った店で、実際店主も世間話などして全然やる気ないところなのだが、思いがけないスパーク。

リョサはしょうがない。今読んでる『楽園への旅』がものすごくおもしろいし、定価のほぼ1/3だし、箱は帯付きビニールだし、初版で月報ありスリップ(!)ありだし。ほぼ完璧。

それにもまして集英社ギャラリーの方は大当たり。定価の半額でボルヘスが3冊分、アストゥリアス、ドノソ、プイグ、ガルシア=マルケスの長編がそれぞれ1編入り、さらにリョサやルルフォなど13の短編がついて、おまけにそれぞれが出た時の月報の評論と同じものもついているもよう。こっちも状態がかなりよくて、帯がちょっと破けている以外はまっさら。紙質も良く薄くてずっしり。このうちボルヘスとプイグ、ガルシア=マルケスは既読ですが、そのくらい「もういっかい一から読み直してやるよ」と気合いの入るセレクション。

新刊のコルタサルとマクニール2冊を買う金がごっそり古本に消えましたが、なあに来月になったって新刊は残っているが古本は残っているとは限らない。むかしのとのさまが狩りを好んだ理由が分かったような気がした一日でした。