uporeke's diary

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『きのう何食べた?』を買う理由がなくなってしまった

 

きのう何食べた?(12) (モーニング KC)

きのう何食べた?(12) (モーニング KC)

 

 

大学に入ってから自炊をずっと続けているくらいには料理が好きなのだが、自分のために作る料理というのは右肩上がりに手をかけまくり、頂点を越えると次第に手抜きがちになる。作ったことがある料理や味の想像ができる料理は仕込み時間と材料費を見越すことができるので、食べることの満足感もおおむね期待値を上回ることはないということが経験によって分かるのだと思う。料理に感動することも文学や旅行などと一緒で、若いうちから感動しておくことで磨かれていくものかもしれない。

ある程度料理が上達するまではきちんとレシピを見ながら作っていたけれども、最近レシピを見て調理するということがほとんどなくなった。一人で食べる分には、ほぼ決まった味付けでなんの問題もない。塩加減や醤油・味噌の量などは全体の割合を見て加えればよく、計量カップを使うこともほとんどない。夏はサラダ、冬は鍋を中心に、味付けは「創味のつゆ」にほぼおまかせだ。蕎麦のときにはただのめんつゆ状態だと味気ないので、沸騰したお湯+創味のつゆに鰹節を加えて2分程度待てば、香りが濃い目の汁になる。

 

創味 つゆ 500ml

創味 つゆ 500ml

 

 

本題の『きのう何食べた?』を買う理由がなくなってしまったことだけども、結局のところ自分一人が食べる分にはそんなに料理で冒険しなくなってしまったことが大きい。自分一人のために毎回しっかりしたディナーを用意する、ということに比重を置かないようになった。一緒に食べる人がいなければ当然なのかもしれない。

きのう何食べた?』のいいところは、日常に思いがけないおいしさを見つけたり、ちょっとした人間関係のここちよさにあるのだと思う。おいしさの方はともかく、人間関係のここちよさの方は若いうちに見つけることができなかった。世間から見ると不適応な人間なのかもしれないが、しょうがないこともある。