桜とライオン
近所に小学校と中学校があり、通学路にたくさんの桜が植えられています。その桜が一本切られることになりました。理由は「大型トラックとぶつかって、枝が折れたから」。桜が植えてあるのは普通車もぎりぎり通れるくらいの細い道で、人がすれ違う時は桜の影に隠れないといけません。そんな道に大型トラックが入ってくること自体に無理があるのに、ただいただけの桜が切られるというのは釈然としません。本来なら大型車側を制限するべきでは?
一方、ライオンが飼育員を噛んだというニュースがありました。
人間がルールに従っていたのかどうかは発表されていませんが、本来は動物と人間が同じ空間にいないようにしていたはずなのに、そのルールを守られていなかったように見えます。仮にそうだとして、人間がルールを守らなかったのにライオンが傷つけたということで、このライオンは処分されてしまうのでしょうか?
桜もライオンも人間の都合でそこにいるはずなのに、人間側の過失で被害を与えると人間ではなく桜やライオンが処分されるというのはフェアでないように思います。自然界だとその線引きは明確にできませんが、都心や人工施設の場合は人間の都合が大きくはたらいているはずなので、その咎を自然にかさないでほしいものです。
はかなさをほかにもいはじさくらばな 咲きては散りぬあはれ世の中 藤原實定