uporeke's diary

苔を見ています http://www.uporeke.com/book/

ストーリーは突然だから分からない

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※写真と内容は関係がありませんたぶん

 

よく「商品にはストーリーが大切だ」なんてことを言う。作った人の背景とか、使う人の生活のステージを上げるとか。まあ要は購買者が気持ちよくなれるための情報を提供することが必要だということと理解しています。あんまり情報量が多くても一般の人は理解しきれないし、かといって陳腐なストーリーじゃ客は離れていくし、難しいものです。

 

一般的な話はさておき、自分にとって魅力のあるストーリーというのは「ちょっとわからない」ことだと思う。「全然わからない」だと魅力につながらない。アイススケートの審査のやり方とか経済の動向などは、自分で理解するつもりがないことと自分が理解したところでそのジャンルに影響を与えることがなさそうなことなどから、「全然わからない」の範疇にある。ああ、ゼクシィとかエグザイルさんなんかもそういうカテゴリ。そういう方々はどうぞ楽しくやってください、ただしこちらには来ないで、と思う。

 

「ちょっとわからない」というのは、それなりにわかっていることが前提だ。小説をけっこう読んでみたけど、詩は「ちょっとわからない」から手を出してみようとか。絵画を鑑賞することは好きだけど、写真の良さは「ちょっとわからない」から撮ってみよう、とか。そういうことは手を出すきっかけになる。関連性と言ってしまえば一言なのだけど、関連の質を見定めないといけない。自分にとってうっすら感じている壁、手を出さない理由になっている壁に、ストーリーをまとわせることによってさらさらと溶けていき、一歩踏み出すことができるようになる。その壁を化学反応で溶かすことができるストーリーは信用とか好奇心とか、結局は相手の個性を感じられることが焦点になる。

 

……うーん、「ちょっとわからない」ことの魅力がうまく伝えられないな。という、このもどかしさこそが愛着を持つ理由なのかも。できることをもうちょっと上手にできるようになるための、そのもうちょっとはどこにあるのか探すこと。それだけで人生終わっちゃいそうです。

 

 

 

猫の口内炎

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15年連れ添った猫が口内炎になったのは、3年くらい前だろうか。猫は口内炎になると口の中が痛くなってメシを食わなくなって死ぬ。なので、この口内炎の薬ができるまでは猫が口内炎になったら死を意味する病気だったらしい。もっとも口内炎の薬は2週間で3000円くらいするので、こちらの財布の死も近くなる。

 

これまでは口内炎の薬を週に1回程度やっていれば悪化することはなかった。刺身にほんのちょっと薬をつけてやれば喜んで食べた後、「なんだかこの刺身は変な味がする」と疑いのまなざしになったりしたが、数分たつと忘れるので、必要な投与量は刺身と共に摂取していた。人は刺身と酒を、猫は刺身と薬を摂取してふつうの生活が送れていた。

 

今年の春にちょっとおかしいという兆候があった。猫毛が抜けないのだ。猫の毛は5月を過ぎるとどんどん抜けて至る所に飛び散る。服や鞄にもおかまいなしにくっついてくるので、黒いセーターは着られないと大島弓子先生がおっしゃっていた、そのとおりになっていた。ところが今年は猫毛が抜けない。どうやら、口の中が痛くて毛繕いができなかったらしい。そのために猫の体表にある脂がそのまま残り、毛をくっつけてしまったそうで、そのために猫の身体は固くなるらしい。可動部分に膠がついているような感じか。

 

8月に入って本格的にメシを食わなくなり、病院に連れて行ったところ、やはり口内炎がひどくなっているとのこと。固まっている猫毛を刈ってみると、右頬の部分が大きく腫れている。それまで毛で覆われていて分からなかったが、かなりぷっくりしている。ここに膿が溜まっているので、これが排出されればよくなるのだけど、なかなか難しいらしい。もしかしたら動物病院によっては切開して膿を出してくれるのかもしれないが、行きつけの病院ではそういう提案はなかった。わたしもそれでいいのかもしれないと思う。

 

元気はまだまだあって、刺身を見ると片目が膿でいっぱいなのに往年の大声でせがんでくるし、薄切りにすればがつがつ食べる。とはいえもう15歳を過ぎ、人間で数えれば75歳以上。平均寿命を3年以上越えているのだから、あとは薬の投与くらいで自然に任せるのがいいのかもしれない。わたしにできることは、半額になっている刺身を買ってくることくらいだ。

 

 

鷹来屋 特別純米酒 手作り糟しぼり

荒々しいフォントで、はじめは「雅鳥来屋」と読んでしまったが、実は「鷹来屋」という浜嶋酒蔵という大分県豊後大野市のお酒。こういう幽霊ぽいフォントを使いたがるのなんでだろう……。せめて明朝体とゴシックは共存させないでほしいな。

 

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冷やでいただくと、乳酸菌の印象が強いので生もとかと思ったが、特に記載はなし。そして後味のキレが特徴。上品にほのかな苦みがあるものの、辛さ・えぐさは目立たず、爽やかさが先に立つ感じ。これはうまい。初めて呑む酒蔵ですが、実に好印象。

タンドリーチキン

初めて食べたタンドリーチキンは自作だった。インド料理の草分けレヌ・アロタさんの本に偶然出会い、1カ月間毎食自作のインドカレーを食べていた。主にレンズ豆。ちょうど20歳の頃。友人どころか読書すらろくにできず、今になって省みるとちょっとおかしくて、病院なりに行くべきだった時代。それでも何かを作ろうとしたわたしは、当時流行まで至っていなかったインド料理に一人で熱中することでこころのバランスを取っていたのだと思う。もっとも、さすがに1カ月インドカレーばかり食べていると、それまでバーモントカレー甘口で育っていた身体が危険信号を発した。これ以上スパイスを身体に入れるとおかしくなる、そうして1カ月きっちり作り続けてやめた。おかげでインドカレーはたぶんぼけても作れると思う。

 

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タンドリーチキンはインドカレーからししとうとトマトを抜いた調味料をヨーグルトに混ぜてつけ込むだけ。ガスコンロの網焼きグリルのように火力のない場所で焼くなら、鳥ももを薄くスライスしておくといい。
-コリアンダー
-レッドペッパー
-ターメリック
-にんにく
-しょうが
-塩

今では買おうと思えばスーパーで手に入るようになったが、当時はどこに行って買えばいいのかわからなかった。確か、アメ横のデパート地下にあるエスニック食材屋まで足を運んでいたはずだ。ターメリックは入れすぎると苦くなる、コリアンダーはたくさん入れるべきなど、一通りのことを覚えてしまったが、実人生でタンドリーチキンをスパイスから作れることで感謝されたり褒められたりしたことなど数えるほどしかないので、自己投資としては失敗なのだと思う。そんなことはどうでもよくて、死ぬ間際とかにひっそりめちゃくちゃうまい比内地鶏とかでタンドリーチキン仕込んで死にたいと思う。誰も焼かなくていいから、自分がいい食材でいい調味をした、それだけの満足感。

讃岐くらうでぃ

 

日本酒度-70(+になるほど辛口)というわけのわからない数字につられて買ってみた。

 

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冷やで。わっ、本当に呑むヨーグルト。濁ってるし甘酸っぱいし、ほんのりぶどうのような果実味があるのがただものじゃない。これ、そうとううまいですし、日本酒苦手という人もすいすいいけてしまうはず。

 

ただ、壊滅的にメシには合わないw 甘酒がこういう味だったらいいのに。

三年古酒 天平 佳撰

このラベルに一目惚れ。とはいえ正直、群馬泉やこの天平のような熟成感はそんなに得意ではない。特に単体で呑むと全然楽しくない。ただ、まちがいなく刺身には合う。なので、家でちんまり呑む場合には古酒も悪くない、うますぎて呑み過ぎることもないし。

 

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ここがわたしにとってぎりぎりの熟成感。これよりもっと紹興酒ぽさが出てしまうとダメかも。

 

こちらは名店内藤商店にて約2000円で購入。夏にあえて濃いめの古酒、なかなかいいものです。

高田馬場「かがやき」

今年見つけた店では1・2を争う名店。しゃぶしゃぶってそれほど興味なかったけど、この店のいいところは、

  • 食べ放題90分で絶対満足
  • セルフサービスがむしろいい
  • 日本酒うまい
  • ビール注ぎマシンかっこいい
  • 野菜が実はすごくうまい

というところ。唯一苦手なのが矢沢永吉のライブがずっとかかっているくらいか。

 

詳細は食べログにて。行きたい奴は手を上げろ!

tabelog.com