uporeke's diary

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ヤマネコ祭り@吉祥寺自然園

 関東でツシマヤマネコが見られるのは横浜ズーラシアと吉祥寺自然園だけ。昨年はズーラシアの方を見てきて寒そうにげーげーしてるのを見てしょんぼりした。今年は寒い時期とはいえ、「山猫祭り」が開催されるということで、ツシマヤマネコたちも御輿をかついだり太鼓を叩いたりするにちがいない、と期待たっぷりに出撃してきました。

 しかし現地に着くとすでに13時。祭りは14時で終わりということで本園まで急ぐ。テントが5つくらい建てられて、ヤマネコストラップ(売切)や対馬の米などが売られている。ツシマヤマネコの環境を良くするには、対馬の稲作を復興させることがまず第一。田畑の昆虫や鼠が増えて、それを捕食するツシマヤマネコの食料事情を安定させようというねらいがあるそうです。単に人間の数が減ったからといってツシマヤマネコの数が増えるという単純なバランスではない。だから日本政府はとっとと国有地化してワーキングプアな猫好きを対馬に投入すべきだと思います。というわけで対馬の米が売られているわけ。残念ながら家に米は大量にあるので、2種類の写真が使われていて6枚入りの絵はがきを購入。

 入り口ではツシマヤマネコの糞や丸呑みした鳥の羽などが展示されています。爪で引き裂いて肉を食べるような器用さがなく、栄養摂取は非効率なのだと受付のおねえさんが教えてくれました。さらにツシマヤマネコの塗り絵をいただき、毛の模様を描くとバッジがもらえるというもの。展示箇所の大きなパネルを見ながら、美術2だったけどがんばって描きました。

 ツシマヤマネコは全部で4つの檻に1匹ずつ。うろうろしているもの、毛繕いしてるもの、高いところから睥睨するもの、とキャラクターがそれぞれちがう。家猫よりもしっぽが太く、鼻が赤い。個体差にもよるけど5kgくらいあり、うちの猫よりもちょっと大きい。単にイエネコの外見がちょっとちがうだけに見えるかもしれませんが、対馬だからというわけではなく、ただでさえ少ないネコ科の動物の個体数が減っていくことに大きな危惧があります。生態系のバランスも大きく崩れるだろうし、何よりあんなすてきな生き物がまったく存在しなくなるなんてことがあっていいはずがない。目の前の死にゆく動物も助けられずに何が環境対策か。効果のはっきりしないものにいきなり数兆円を投じるのではなく、対馬北部だけでも国有林化するだけでツシマヤマネコの環境は大きく改善されるはず。大きな理想よりも小さな現実を見てほしい。