uporeke's diary

苔を見ています http://www.uporeke.com/book/

金曜日の狗

駅を下りるとハングルが飛び交うここは新大久保。寒空の下、狗料理を食べようという物好きが集まったのは駅から3分ほど歩いた「千里香」。店は中国と朝鮮の国境あたりの廷辺料理というふれこみで、唐辛子を使った料理が多い。あの辺りはなんといっても「中国、東北虎 620頭を中朝国境地帯で放し飼い準備」というニュースが真っ先に思い起こされる。

ここの名物は串焼き肉のようで、普通の鳥・牛・豚から羊、当然狗もある。牛スジと羊の廷辺風(こってりと香辛料がまぶされている)、鳥ハツをいただく。廷辺風というのは唐辛子だけじゃなく、カレーの香り付けに使われるクミンも入っているのが特徴で、インドや中近東のイメージ。シシカバブのようでものすごくおいしい。あとなすのキムチが唐辛子を使ってなくて、がっつりにんにくだったのもおもしろかった。普通の焼肉屋なんて目じゃない量のにんにくは翌日外出禁止令がひかれるほど。

さて、いよいよ狗であります。見た目はややビーフジャーキーぽくぱさぱさしている。しかし口に入れるとしっとりしている不思議。鍋はプレーンにいただいた後、唐辛子を入れてがっつり辛くしてみた。平たく切ったねぎと香菜が合う。他に唐辛子入りの狗炒めも出てきたが、鍋と味が被ってしまい狗の印象が薄れてしまった。あと牛の血管炒め(これはなぜかサービスされた)は予想外のおいしさで、こりこりした食感がおもしろい。全体にスパイスをしっかりきかせてあるので、生臭いとかイヤミがなくおいしくいただけます。

普通の焼肉屋だったら牛の身体の部位を描いたイラストがあって、ここがハラミ、ここがロースなどと注意書きがあるが、狗屋でそんなイラストがあったらちょっと楽しいのに、と思ったりもした。ちなみに串には狗ヘッドもあった。さすがに哺乳類のヘッドは躊躇したが、剛の者は試されたい。あと虫(醤油味)もいます。ひー