uporeke's diary

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再読 星の時計のLiddell

uporeke2007-10-09

メタル三昧を聴いていたら妙に内向的になって、ファンタジーやゴシックホラーの閉ざされた世界に閉じこもりたくなった。そこで世界と時間の美しさが詰まった「星の時計のLiddell」を手に取る。人間は世界にまったく不必要で、そのくせ美しいものを感じてしまうんだろうと悩んでも答えが出ないことでしばし頭の中をかきまわす。美しい毛並みの猛獣を射殺して手に入れなければ気が済まない醜さと美しさを求める心は同じであることが悲しい。デジタルの無機質さを嫌悪しながらGoogle Earthで神の視点を手に入れてしまう自分が悲しい。こういうときは美しいものだけがあるところに隠れる。自分が美しいもの、醜いものであることから超絶した、ただ鑑賞するだけの、世界に影響を与えない存在になりたいと願って。