古本ツアーin茨城
春になれば虫も地から這い出し、木の芽が芽吹く。そして古本者もまた、家から這い出して最果ての地を目指す。今回の古本ツアーは茨城南部を攻略いたしました。ルートは映画で有名な下妻→つくば学園都市→牛久→竜ヶ崎。当然なのだが、茨城は遠く田舎だ。だからこそ古本者が踏み入れていない宝の山があるのではないか、そういう幻想をわたし以外にもみな古本者なら抱いている。
だが、現実はそう甘くない。未知の古書店がWEBに掲載されたが最後、開拓地を求めて人は押しかける。掘り尽くされた古書店は見るも無惨な姿となり、また人知れず朽ちていく運命にあるのです。わたしたちが踏み入れた時にはすでにゴールドラッシュならぬブックラッシュは終焉を迎えつつありました。蛍光灯で白く焼けた背表紙は、わたしたちの幻想を打ち砕いたのであります。
とはいえ、4000円以上も買ってしまったのだが。
【下妻市 ピノキオ】
- エドガー・ライス・バローズ『ウォー・チーフ』(創元推理文庫)
- 青山南編・訳『世界は何回も消滅する』(筑摩書房)
- Steve Hackett「Defector」
- Richard Thompson「you? me? us?」
【牛久市 尚文堂】
- フィリップ・K・ディック ロジャー・ゼラズニイ『怒りの神』(サンリオSF文庫)
- 神林長平『七胴落とし』(ハヤカワ文庫JA)
- 神林長平『言葉使い師』(ハヤカワ文庫JA)
- 今日泊亜蘭『縹渺譚(へをべをたむ)』(ハヤカワ文庫JA)
- エヴァンズ&ホールドストック『アザー・エデン<イギリスSF傑作選>』(ハヤカワ文庫SF)
- フィリップ・K・ディック『ジョーンズの世界』(創元推理文庫)
【龍ヶ崎市 栄文堂書店】※買ったはずだが、荷物に見あたらない……
【ブックオフ 松戸馬橋店】
一番高いのはアラスター・グレイと『怒りの神』の1000円。あとは皆500円以下。
これだけ買いましたが、一番印象に残ったのは筑波ハムのランチ。肉らしいハンバーグやかみしめるごとに旨みがでる生ハムなど。ビールも大子地ビールがくっきりした味でハムによく合いました。また、公道を走る痛車けいおん仕様from札幌との遭遇は、渋滞で停滞する車内を照らす光の王子のようでした。最後はうまい焼き鳥で〆て肉づくし古本づくしの一日は幕を閉じたのでした。