uporeke's diary

苔を見ています http://www.uporeke.com/book/

book

J・P・ホーガン『星を継ぐもの』(創元SF文庫)

名作とうたわれるとかえって手を出したくなくなる天の邪鬼だが、プリースト『逆転世界』並の驚きがあると聞いては放り出しておくわけにはいかない。月面で宇宙服に包まれて見つかった遺体は5万年以上前のものだった。過去の地球には月面に到達できるだけの文…

古本ツアーin茨城

春になれば虫も地から這い出し、木の芽が芽吹く。そして古本者もまた、家から這い出して最果ての地を目指す。今回の古本ツアーは茨城南部を攻略いたしました。ルートは映画で有名な下妻→つくば学園都市→牛久→竜ヶ崎。当然なのだが、茨城は遠く田舎だ。だから…

鴻巣友季子『カーヴの隅の本棚』(文藝春秋)

カーヴの隅の本棚作者: 鴻巣友季子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/10メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (10件) を見る『嵐が丘』の新訳やクッツェーの翻訳などで海外文学愛好家なら知らぬ者はいない鴻巣友季子さんの本とワインを…

チャイナ・ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』(早川書房)

ペルディード・ストリート・ステーション (プラチナ・ファンタジイ)作者: チャイナ・ミエヴィル,鈴木康士,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/06/25メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 60回この商品を含むブログ (41件) を見る分厚いけど、読…

美の20世紀(14)『カーロ』(二玄社)

美の20世紀〈14〉カーロ (美の20世紀 14)作者: ゲリースーター,Gerry Souter,山梨俊夫,小野寺玲子出版社/メーカー: 二玄社発売日: 2008/01/01メディア: 大型本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る世田谷美術館で開催されている「メキシコ20世紀…

カルロス・フエンテス『アルテミオ・クルスの死』(新潮社)

アルテミオ・クルスの死 (新潮・現代世界の文学)作者: カルロス・フエンテス,木村栄一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1985/06メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (2件) を見るいまではガルシア=マルケスばかりが取り上げられるが、新潮…

ボフミル・フラバル『あまりにも騒がしい孤独』読み始め

あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2)作者: ボフミル・フラバル,石川達夫出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2007/12/14メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 103回この商品を含むブログ (49件) を見る主人公の気味悪さがいきなりにじみ出ていて期待大。本…

『フラナリー・オコナー短篇集(上)』読書会

第23回読書部『フラナリー・オコナー全短篇(上)』フラナリー・オコナー全短篇〈上〉 (ちくま文庫)作者: フラナリーオコナー,Flannery O'Connor,横山貞子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/03/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 12回この商品を含む…

読書会のおしらせ

2年前まで隔月で開催していた小説の読書会を復活します。今回の課題図書はちくま文庫から出ている『フラナリー・オコナー短篇集(上)』。フラナリー・オコナー全短篇〈上〉 (ちくま文庫)作者: フラナリーオコナー,Flannery O'Connor,横山貞子出版社/メーカ…

G・カブレラ・インファンテ『平和のときも戦いのときも』(国書刊行会)

平和のときも戦いのときも (1977年) (ラテンアメリカ文学叢書〈3〉)作者: G.カブレラ=インファンテ,吉田秀太郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1977/08メディア: ? クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 目次 まえがき I 一時預け II 約束の…

(読書中)ギマランエス・ローザ『大いなる奥地』

筑摩書房から1976年に出版された「筑摩世界文學体系」シリーズの一冊(83)。ブラジルの作家で現地ではかなり有名らしい。亡くなったときはちょうどブラジル文学アカデミーの会員として就任した数日後で、「(シャイなので)心臓が止まるといけないから」と…

続・蔵書管理

読書メーターによって蔵書管理、さらに所有していない読みたい本も記録できるようになったが、外出先から簡単にアクセスできないこと(これはわたしの通信媒体が古いせい)が大きな理由で不満も感じていた。そこでいわゆるGTDアプリとして使われている「Thin…

これから読みたい本を管理する

読むのが遅いので「これから読みたい本」というのがどんどんたまっていく。当然全部読めるわけはないのだが、かといって読みたいと思った本を忘れてしまうのは惜しい。そしてわたしの記憶力は並以下ときている。読みたい本をすぐ忘れてしまうので、まとめて…

キアラン・カーソン『シャムロック・ティー』(東京創元社)

シャムロック・ティー (海外文学セレクション)作者: キアランカーソン,Ciaran Carson,栩木伸明出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (22件) を見るウィリアム・トレヴァーからフランク…

ゴーゴリ『狂人日記』(岩波文庫)

狂人日記 他二篇 (岩波文庫 赤 605-1)作者: N.ゴーゴリ,横田瑞穂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1983/01/17メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (35件) を見る【収録作】 ネフスキイ大通り 肖像画 狂人日記 ゴーゴリを読むきっか…

『フランク・オコナー短篇集』(岩波文庫)

フランク・オコナー短篇集 (岩波文庫)作者: フランク・オコナー,阿部公彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/09/17メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 16回この商品を含むブログ (24件) を見る岩波文庫はこっそりブルガーコフ『悪魔物語・運命の卵』(重…

アラスター・グレイ『哀れなるものたち』(ハヤカワepiブック・プラネット)

哀れなるものたち (ハヤカワepiブック・プラネット)作者: アラスター・グレイ,高橋和久出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/01/26メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 44回この商品を含むブログ (36件) を見る2009年の1冊目にこれほどの傑作を読…

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/12/25メディア: 文庫購入: 84人 クリック: 1,493回この商品を含むブログ (719件) を見る人んちで麻雀の抜け番に読んだものの、アルコールと眠さで印…

グレッグ・イーガン『TAP』(河出書房新社)

TAP (奇想コレクション)作者: グレッグイーガン,山岸真出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/12/02メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 86回この商品を含むブログ (90件) を見る久しくSFから離れていたわたしにも読みやすい短編集で、いろいろな知識…

キャロル・エムシュウィラー『カルメン・ドッグ』(河出書房新社)

カルメン・ドッグ作者: キャロルエムシュウィラー,畔柳和代出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/12/18メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (7件) を見るタイトル通り歌劇「カルメン」を下敷きに人間の女性が動物に、動物の雌が人間に…

2008年印象に残った本

今年の後半は意識的に本を読まないようにしていたので、ただでさえ少ない読了数がもっと少なくなってしまった。しかし今年出会えた本は一生ものと言い切れる良作が多かった。敢えて5冊に選んでみた。 ウィリアム・トレヴァー『聖母の贈り物』(国書刊行会) …

桜庭一樹『書店はタイムマシーン』

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (83件) を見る本を好きな人が本を好きな人に囲まれて本にまつわる仕事をしている。それほど…

よしながふみ『きのう何食べた?(2)』

きのう何食べた?(2) (モーニング KC)作者: よしながふみ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/11/21メディア: コミック購入: 41人 クリック: 221回この商品を含むブログ (465件) を見る社会人になってから貯金できるほど稼ぎがないこともあり、メシの9割は自…

コッパードを地道に再読中

郵便局と蛇 (魔法の本棚)作者: A.E.コッパード,A.E. Coppard,西崎憲出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1996/07/01メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (12件) を見る好きな小説家といったらコッパードは欠かせない。合間合間にちらちらと…

秋山瑞人『鉄コミュニケイション』(電撃文庫)

ずっと小説を読んでいなかったからすかっとするものを読みたいと思って選んだ。荒削りなところはあるが、期待を裏切らないおもしろさ。秋山瑞人作品は今年出た新刊をのぞいて全て読んでいるが、一番好きだな。ちなみに新刊を読んでいないのは完結してから読…

夏に読んだ本をとりあえずまとめておく

今は英語に集中するので、とりあえず読んだ本のアウトプットは簡単に。まじめに書くと1冊1時間かかるからえらいこっちゃ。 ロドリゴ・レイローサ『その時は殺され……』(現代企画室) グアテマラ出身でブーム後のラテンアメリカ文学をしょって立つ逸材。軽さ…

勝間和代さんの本

勝間和代さんの本を2冊読んだ。『効率が10倍アップする新・知的生産術』と『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』で、論理的な思考が苦手なわたしは特に後者がとても参考になったし、これから実践したいことがた…

『美味しんぼ(1)(2)』

料理好きなんで今更読み始めました。さすがに復刻版などが出て人気があるのが分かる、イヤミすぎない蘊蓄がうまい。葉山の鯖は「食彩の王国」でも取り上げていたのを思い出した。これからちまちま読んでいくつもり。

ベストオブブッカー賞6冊

http://books.guardian.co.uk/news/articles/0,,2279400,00.html サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』(早川書房) J・M・クッツェー『恥辱』(ちくま文庫) J・G・ファレル『クリシュナプール籠城戦』(未訳?) ナディン・ゴーディマ『Conservationi…

ニール・ウィリアムズ『フォー・レターズ・オブ・ラブ』(アーティストハウス)

フォー・レターズ・オブ・ラブ作者: ニールウィリアムズ,Niall Williams,石川園枝出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ発売日: 2004/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るまったく知らない作家ながら、帯のパブリッシャー・…