uporeke's diary

苔を見ています http://www.uporeke.com/book/

『ウェイクフィールド/ウェイクフィールドの妻』

ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻

ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻

ナサニエル・ホーソーンの名作「ウェイクフィールド」に、アルゼンチンの作家エドゥアルド・ベルティが妻からの視点を綴った「ウェイクフィールドの妻」がセットになってお買い求めやすいお値段で出会えたのでさっそく読み始める。アメリカ文学といえばラブクラフトと言い切ってしまうほど文学潮流にはとんと疎いわたくし、当然ホーソーンなんて名作は読んでいなかったためこれが初読。ある日ふらりと出かけた夫が20年もの間ゆくえしれずになり、また何気なく帰ってきたという話。「ウェイクフィールドの妻」はその間の妻の動向を繊細に描き出す、まだ半分くらいですが、子供が理由もなく犯罪者扱いされるシーンはラテンアメリカっぽい。日本よりも他人を信頼せず結果として理不尽な関係が生まれるハードボイルドな土地柄が出ているように思われました。