uporeke's diary

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2008年印象に残った本

今年の後半は意識的に本を読まないようにしていたので、ただでさえ少ない読了数がもっと少なくなってしまった。しかし今年出会えた本は一生ものと言い切れる良作が多かった。敢えて5冊に選んでみた。

聖母の贈り物 (短篇小説の快楽)

聖母の贈り物 (短篇小説の快楽)

密会 (新潮クレスト・ブックス)

密会 (新潮クレスト・ブックス)

  • リチャード・バーギン『ボルヘスとの対話』(晶文社選書)
    • インタビューだが、ボルヘスが意外に優しいおっさんだと分かる良書。「教室で怒鳴っちゃったよ」と照れる姿がかわいい。

  • フリオ・リャマサーレス『狼たちの月』
    • 貧困の中に開く美しい華。狼たちの行き場のない焦燥感と冷たい空気がページをめくる指からも伝わってくるかのよう。

狼たちの月

狼たちの月

  • マリオ・バルガス・リョサ『楽園への道』
    • 『狼たちの月』ときれいに対比をなす選択かもしれない。ゴーギャンも祖母も楽園を見つけられなかった。そしてわたしたちもまた。

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)