uporeke's diary

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アバター

3D映像を初めて見たのは小学校の時の筑波科学万博。日立のブースでヘリコプターからの映像を上映していた。草原からふわりと湖の上に出ると本当に落下するような感触があった。

次の3Dはもちろんマイケル・ジャクソンキャプテンEO。あのためにディズニーランドに行ったといってもいいほど(ディズニーランドでのキャプテンEO率は1.000だ)、チープだけど純粋なマイケルランドは今でもはっきり覚えている。

あれから10年。久しぶりの3D映像体験は話題のアバター@川崎チネチッタ。折しも「涼宮ハルヒの消失」公開日ということもあり、入り口は若い子供や大きい子供たちでいっぱい。円形の吹き抜けが入り口の前に立ちはだかり、大変入場しにくく、案内も不親切なところで、川崎住民のための映画館なのだと一人納得した。中に入っても家族連れが多く話し声がそこここで聞こえる、と神経質になってしまうのは、前に見に行ったのが「カティンの森」だからかもしれない。

映像の方は大変満足でした。話に聞いていたとおり、驚かせるような3Dの使われ方はほんのちょっとしかなく、だからこそ戦闘シーンなどの飛び出してくる映像は本当に驚いて腰を浮かしてしまったほど。途中からは3Dだということを意識しなくなるくらい、遠近感が自然に見えてくる。でも、わたしはめがねon3Dめがねなので、ちょっと鼻に重みを感じたかな。ただ左右の端はやはりうまく3Dになってなくて映像が二重に見えたりしたので、3D酔いする人はこのへんにやられるのかも。

物語については特筆すべきことはないが、気になったのは原住民たちが飲み食いするシーンがほとんどないこと。ヒロインが葉にたまった水を飲み干すくらいで、人間たちが映っているシーンより原住民たちのシーンの方が多かったのに、なぜ食べ物の映像がなかったか。世俗的なところを故意に出さないことで、原住民たちの神聖さを演出し、強いてはハリウッド的正義vs悪の対立構造を作るため、かもしれない。食べ物を出さないことがかえって物語の安っぽさをも露呈したように思います。

最近の映画やドラマ全体的な流れのようだけど、物語の流れをぶちこわすような大ヒット歌手の歌をエンディングに使うのはやめてほしい。ただでさえアディエマスや90年代のJ-Waveでかかっていたようないんちき民族音楽ポップスのような挿入歌でげんなりしてるところで、あの曲の異世界感ぶちこわしの勢いはすごかった。レオナ・ルイス自身が悪いわけではないが、全体的な選曲センスのひどさはどうにかならなかったのか。

とはいえ、悪役の大佐は本作数少ないすばらしいキャラで感動した(あとは操縦士のおねえさんがかっこいい)。